兵庫県保険医協会

　兵庫県保険医協会は、歯科医師・衛生士・技工士などの歯科医療関係者と、患者さん・住民との共同のネットワークとして、「『保険でより良い歯科医療を』兵庫連絡会」を立ち上げました。
　おいしく楽しく食べることは、人生を豊かにするとともに健康の基本です。しっかりと噛むことで全身の健康状態が高まります。とくに今日の歯科医療は、糖尿病の管理をはじめ、致命的な疾患にいたる高血圧症や動脈硬化、誤嚥性肺炎、認知症の予防など、全身の健康にとって不可欠な、口の中の働きを保つためにますます重要となっています。また、成人の８割は歯周病といわれ、通院困難な高齢者・障害者への歯科訪問診療など、口の中の健康を保障するためには、公的保険で安心して歯科医療を受けたいという要望が高まってきています。
　こうした要望に応えるよう、歯科医療関係者は、「いつでも、どこでも、お金の心配なしに安心して医療を受けられる」ことを理念とした「国民皆保険制度」のもとで、憲法25条に基づく社会保障としての歯科医療に携わっています。
　しかし、高すぎる窓口負担を考えて受診を控えてしまったり、患者さんにとって必要な技術が公的保険では扱えなかったりと、歯科医療関係者の労働力に見合うように診療報酬、つまり医療行為を点数で表した公定価格が引きあがらないなど、長く続く政府の「低医療費政策」によって、歯科医療は疲弊しています。
　政府が歯科医療費を増やさないため、歯科医療は危機に瀕しています。
　私たち保険医協会は、こうした歯科医療の困難を乗り越えて、国民の口の中の健康を守るために、歯科医療関係者と患者さん・住民との共同のネットワーク「『保険でより良い歯科医療を』兵庫連絡会」で、今後の歯科医療の充実とその大切さをみなさんに呼びかけています。