2010年1月
【木曜】 鼻血について
鼻血は、鼻の中やのどの上方の粘膜から出血し、鼻の入口や喉に流れてくるものです。
多くの場合、少量の血がティッシュにつく程度か、出ても1-2分で止まるものです。しかし多量に出て、なかなか止まらないと、誰でも慌てます。「こんなに出て大丈夫か」と不安になるものです。
まずは鼻血が出る仕組みをお話しましょう。
鼻の中を左右に分けている壁がありますが、鼻の入口から2-3㎝ほど入った粘膜の部分には、細い血管がたくさん集まっており、急性または慢性の鼻の炎症がある場合や、鼻を強く打った時、よく鼻を触る癖のある人などで、この粘膜の部分から出血することがよくあります。鼻や喉の上の方の癌や白血病でも鼻血がみられることがあり、心臓などの病気で血液をさらさらにする薬を飲んでいる人は、鼻血を繰り返すことがあります。
次に、鼻血を止める方法をお話します。
鼻血が出ても、少しの量ですぐ止まる場合は様子をみましょう。たくさん出てなかなか止まらない場合は、血が出ている側の鼻の中に5㎝ぐらいの長さの綿を入れて、指先で鼻の外側から鼻の壁に向かって圧迫するか、鼻の両側を指でつまんで圧迫しましょう。喉に流れる血は吐き出しましょう。血が固まってどろっとした物が喉に落ちてくることもありますが、飲み込まずに吐き出してください。そして、鼻に綿を詰めたままで、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診してください。
鼻血の治療法には、出血しているところを圧迫して止血するために、抗生剤の塗り薬をつけた細長いガーゼを鼻の中に詰めたり、電気で血管を焼く治療を行います。止血剤も使います。
鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみの持病がある方や、鼻血を繰り返しやすい方は、鼻の病気があると思われますので、早期に受診して治療されることをおすすめします。