2010年2月
【木曜】 尿が近い
普通、人は一日に1000~2000m1の尿を出します。人によって違いますが、一回の尿量は300~400m1くらいですので、平均的な尿の回数は昼間に4~5回、夜間に0~2回、一日では5~7回くらいです。
最近、尿が近くなった、夜中に何回もトイレに起きるようになった、というようなことはありませんか。最近では、テレビコマーシャルでも「過活動膀胱」が話題になっています。
尿の回数が多くなった状態を「頻尿」といいますが、一日に10回以上トイレに行くようなら頻尿といえるでしょう。特に夜間に3回以上トイレに行くような状態を「夜間頻尿」といいます。誰でも水分を多くとったりすると、尿量が増えトイレが近くなるものです。しかしこれは一時的なものです。水分を大量に摂取していないのに排尿回数が増える場合は、注意が必要です。
頻尿の原因は、膀胱や尿道に異常がある場合と、病気や異常がないのに心理的要因によって症状だけが出る場合があります。
膀胱や尿道の異常によって起こる病気、すなわち、「膀胱炎」「尿道炎」「前立腺肥大症」「膀胱がん」「前立腺がん」「結石」等で頻尿になることがあります。また、膀胱周辺の臓器によって膀胱が圧迫されたり、膀胱自体が萎縮して尿が近くなる場合や、排尿障害のために、膀胱に溜まっている尿をすべて出し切れないため、何度もトイレにいかなければならない場合があります。また糖尿病など他の病気のために、尿量が異常に増えて尿が近くなったりすることもあります。
一方、病気や異常がないにもかかわらず頻尿になるときは「神経性頻尿」と呼ばれるものが考えられます。精神的な要因やストレスなどが原因となって頻尿が起こるのです。トイレが気になって、バスや電車に長時間乗れないようになったり、外出するのにも支障が出たりすることがあります。
以上のように、頻尿の原因はいろいろありますが、なかには「膀胱がん」「前立腺がん」のような怖い病気の場合もありますから、頻尿を自覚している人は一度、泌尿器科を受診し検査を受けたほうが良いでしょう。