2010年2月
【水曜】 げっぷから考えられる病気
げっぷは、胃の中にたまった空気が上にあがり、食道を通って口から出る現象です。正常な状態でも、食べ物と一緒に飲み込まれた空気が胃の中には少しあります。
食道と胃のつなぎ目のところには、胃液や空気が上へ逆流することを防止する、弁の働きをする筋肉がありますが、この筋肉の働きがゆるんだり、空気が胃の中にたくさん溜まると、げっぷとして上に上がって口から出るのです。そのため、げっぷは健康な時にも起きます。
げっぷが出ることは異常ではありませんが、げっぷが頻回に起こるような時は色々な病気が隠れていることがあるので、注意する必要があります。
「逆流性食道炎」「食道裂孔ヘルニア」などの、食道と胃のつなぎ目にある逆流防止弁の働きが不十分なため、胃酸が食道へ逆流してしまう病気があります。胃酸が上に込みあがってくるため、げっぷの他に、胸焼け、胸の熱さなどの症状を伴うこともあります。
「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」も、げっぷの原因となります。潰瘍の場合は、げっぷの他に、食後にみぞおち付近が痛んだり、お腹が空いた時に痛みが出たり、食欲不振などを伴うこともあります。
精神的な原因でもげっぷが起こることもあります。空気を無意識に飲み込んでしまっているからです。精神的な不安や、ストレス、緊張から、頻回につばを飲み込む時に空気も飲み込んでしまいます。
その他、「慢性胃炎」「胃がん」「食道がん」、「胆のうや膵臓の病気」などでも、げっぷが出ることもあります。
げっぷの原因として、ストレスや不安など、精神的な要因がある一方、食道がん、胃がんなど悪性の病気が隠れており、げっぷをきっかけにして病気が発見されることもあります。
「たかがげっぷ、されどげっぷ」です。医師に相談して適切な診断・治療を受けることが大切です。