2010年2月
【月曜】 生理痛について
生理とは、妊娠が成立しなかった時に、胎児のベッドになるはずであった、子宮の中を覆っている内膜が剥がれるために、血液で洗い流す作業です。その古くなった内膜と血液を、押し出すために子宮の収縮が起こりますから、多少の下腹部痛や腰痛が生理痛として現れます。
生理痛には、痛み止めが使われますが、普通は1回の生理で1日2錠から3錠、3日間位の服用で治まります。それで治らないような生理痛や、年々強くなるような生理痛は、異常と考えられます。
子宮内膜は、排卵前の卵巣から出るエストロゲンと呼ばれる「卵胞(らんぽう)ホルモン」によって増殖し、排卵後の卵巣から出るプロゲステロンと呼ばれる「黄体ホルモン」によって整えられます。従って、前の卵胞ホルモンが普通より多く作用するほど、子宮内膜が増え続けて生理痛が強くなり、後の黄体ホルモンが早く出るほど、生理痛は楽になります。
排卵は、生理から2週間ほどで起こりますが、この排卵が遅い人ほど卵胞ホルモンの作用が長いので、子宮内膜が正常より多くなり、生理の量が増え、生理痛はひどくなります。
自分の排卵がいつ起こっているのか知るためには、基礎体温を測れば分かります。
基礎体温は、朝、目を覚ましてから動かないまま口の中、舌の裏に体温計を入れて測ります。なるべく目盛りの細かい婦人体温計を使ってください。黄体ホルモンが体温を上げますので、生理が始まった日から2週間後に体温が36.7℃以上となります。それが2週間程続けば、十分な排卵後の黄体ホルモンが出ていることになり、その後の生理は正常と考えられます。
排卵が遅いときは、まず生活指導や、漢方薬や黄体ホルモン剤を使ってこれを治します。基礎体温が正常でも痛みが強いようであれば、子宮筋腫と子宮内膜症が原因で起こる卵巣膿腫、子宮腺筋症、また色々な感染症による病的なものが考えられます。
痛み止めの薬は、それだけに頼っていると効果が薄れていきます。量を増やしたりすると、肝臓や胃腸に負担をかけるなど、様々な弊害を起こすことも考えられます。隠れた病気がないかを早目にチェックすることが最も大切ですから、ぜひ産婦人科など専門医にご相談ください。