2010年3月
【火曜】 高齢者肥満に対する減量のすすめ
2006年から特定健診・特定保健指導が始まり、内臓脂肪の蓄積やメタボリック・シンドロームが、様々な病気のリスクを高めることが知られてきました。2007年の国民健康・栄養調査によると、特に男性の60歳以上で近年、肥満が増加傾向です。
高齢で肥満の方の食生活の特徴としては、「先が長くないので、好きな物を好きなだけ食べたい」とか、「身体に良いといわれるものを増やして、食べ過ぎになっている」「暇つぶしに間食に走ってしまう」「自分ひとりなので、食事を作らず、お茶漬け・菓子パン・麺など、炭水化物だけの食事が多い」「膝や腰の痛みのため、動くことがおっくうになっている」などが挙げられます。あなたはこれらに当てはまりませんか。
まずは自分の適性体重を知り、減量が必要な人は生活習慣を見直してみましょう。
食事では、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を控えめにして、魚や赤身の肉・豆腐製品などのタンパク質をしっかり摂りましょう。
炭水化物の摂取割合は、1日の総エネルギー量の1/3程度を目安にしてください。
パンに塗るバターやジャム、サラダに使うオイル入りドレッシングなどは控えめにして、余分なカロリーや脂肪を摂りすぎないようにしましょう。また、糖分の多い飲み物を避け、水分補給は水やお茶にするなど、毎日の食習慣を変えることが重要です。
さらに運動する習慣のない人は、ウォーキングを30分~1時間程度、始めてみてはいかがでしょうか。ストレッチやダンベル等の筋力トレーニングも、毎日15分程度、合せて行いましょう。
高齢者は薬を多く飲んでいる人も多いですが、食事や運動習慣を見直すことで、薬や注射に頼らずに、生活習慣病や肥満の予防に努めていきたいものですね。本人のやる気と適切な方法によって、健康的な減量は十分可能です。