2010年4月
【月曜】 予防できる病気はワクチンで予防しよう
ワクチン先進国のアメリカと、後進国の日本を比べる、本当にあったことをお話しします。
数年前、アメリカへ留学した大学生が、現地に着いた途端に発熱と咳が出現し、その上皮膚の症状まで出てきました。現地で診察を受けたのですが、なかなか診断がつかなかったそうです。結局、最終的に麻疹(はしか)だったそうで、現地では接触者の特定に、てんやわんやの大騒ぎとなりました。飛行機に同乗していた人、空港で接触した人など、千人以上の人が特定でき、経過をみられたそうです。
信じられないようですが、現地の医師は、はしかを見たことがないそうで、そのため診断が遅れたそうです。 騒ぎが落ち着いた頃、いったい日本はどうなっているのかと問題になったようです。日本は先進国ではなかったのか、感染症対策はどうなっているのか、ワクチン事情はいったいどうなっているのかと問題になったようです。その結果、日本ははしかの輸出国の1つに入れられてしまいました。非常に不名誉な話です。 皆さま方の中には、日本が世界一の長寿国で、乳幼児死亡率も世界最少だということをご存じの方も多いと思います。しかし、はしかの輸出国だったとは知らない人のほうが多いのではないでしょうか。実は本当の話なのです。
3年ほど前、東京の多くの大学で、はしかが流行しました。全学年が休校になった大学もありました。アメリカでは、はしかは全国で数人ほどしか発生せず、そのほとんどが外国からの移住者です。ワクチン先進国のアメリカをはじめ、カナダ・オーストラリア・韓国などは、子どもの現地入学時に接種済みの証明が求められるほどです。日本との差は歴然です。いったい何が原因なのでしょうか。
もうお分かりだと思います。ワクチン先進国では、国のワクチンに対する信頼が厚く、予防できる病気は全てワクチンで予防しようと考えています。国民の意識も高く、ワクチンの重要性を理解できているようです。ひるがえって、日本の現状はいかがでしょうか。行政は副作用のこともあってワクチンに対する腰が引けて、積極性に欠けています。国民も自分の子どもをわざわざ水ぼうそうの子どもと接触させて感染させようとする保護者もいるような状況です。
ワクチンの重要性をもう一度理解し、予防できる病気は全てワクチンで予防したいものです。