2010年5月
【月曜】 子どもの不登校
不登校ということを私たちはどのように考えているでのしょうか?
あってはならないこと?問題?解決しなければならないこと?解決できるはずだ?何が原因?そのほかさまざまなことを考えるでしょう。しかしながら不登校から“何を学ぶか?何に気づくか?”という大切な事柄に目を向けているでしょうか。
また、目の前に見えること、耳で聴こえること、心で感じることのみに振り回されてはいないでしょうか?どんな事柄でも、その本質を理解することがもっとも大切です。
不登校とは、不登校の本人がしている大きな行動であるともいえます。その不登校にかかわるすべての人々が、各自のしているその行動を通して、自分の人生にとって本当に大切なことはどんなことかということに気づくことが大切です。極論すれば、不登校それ自体は大きな問題ではないのです。もうすこしわかりやすくお話ししてみましょう。
不登校をしている本人にとっては、さまざまな原因が考えられるでしょう。学校、先生の対応、親の問題、友人関係などなど。そしてそれらの結果、不登校という結果が生まれたと考えているかもしれません。
自分というものはただ周りの流れに任せて漂う、まるで浮草のような存在に感じられてしまうのです。人生を生きていくときに大切な、自己を信頼する感じがほとんどなくなってしまうでしょう。このように考えると、不登校に取り組むことは、自分というものが周囲の状況や原因によって左右されることのない、信頼できる存在であることを確認する、ある意味で不登校の本人が自立する大切な一つのステップと言えるかもしれません。
そして、それにかかわる親や教師も、不登校をおこしている本人を変えるのではなく、本人の自立を本人自らが獲得できるように、サポートしてあげることが大切です。もしかしたら、親や教師や周囲の人にとっても、親として、教育者として、友人として、それぞれのプロへの道へつながるかもしれません。
大切なことは、その経験を通してすべての人が、自己信頼感を回復または育て、自分の人生に自らが主体となって取り組み、成長していくことなのです。