2010年6月
【月曜】 コンタクトレンズによる目の障害
現在、コンタクトレンズを使用している人は、1500万人以上と推定されています。このうち約10%に眼科専門医での治療が必要な目の障害が発生しています。
コンタクトレンズによる障害の症状には、目の充血、異物感、目の痛み、視力低下、かすみ目、なみだ目、目やに、目の乾き、かゆみなどがありますが、最初は症状があまりないこともあります。
これらの障害の主なものとして、「アカントアメーバー性角膜炎」「水疱性角膜症」「巨大乳頭結膜炎」があります。
アカントアメーバー性角膜炎は、黒目の部分である角膜に起こる感染症で、アカントアメーバーという微生物が原因のものですが、診断・治療が難しく非常に厄介なものです。最近はこの病気が増加していて問題となっています。
水疱性角膜症は、角膜への酸素不足などによって、角膜をつくっている細胞の減少が著しいと、角膜が白く濁ったり、腫れたりして視力が低下するものです。この病気は現在、角膜移植しか治療法がないので注意が必要です。
巨大乳頭結膜炎は、コンタクトレンズについた汚れなどで、まぶたの裏にデコボコの隆起物ができる病気です。
これらの障害の原因としては、コンタクトレンズの材質の不良や変形、汚れなどコンタクトレンズ自体の問題もありますが、何より多いのは、使用方法の問題です。コンタクトレンズは材質の違いとともに、使用時間や洗浄方法、寿命などの違いもあります。これらを守らずに、使用時間や期限を超えた使用、消毒・洗浄の不十分さ、定期検診の怠りなどで目の障害を起こしやすくなります。そして、コンタクトレンズの処方や説明指導が適切でなかったり、インターネットや通信販売を利用してコンタクトレンズを手に入れて、眼科医の診察を全く受けていないケースもあるようです。
快適にコンタクトレンズを使用するためにも、正しい使用方法を守り、眼科専門医の定期検査を受けるようお願いします。