2010年7月
【月曜】 閉経後の性生活
健康な女性でも、生理が次第に不順になり、量が増えたり減ったりしながらも、一定の年齢後には、ついに生理が止まってしまいます。これを閉経と言います。女性にとってその頃のホルモンの変動は激しく、更年期障害に悩む人も出てきます。
しかし医学的には、閉経前後のホルモンの変動は、女性の性欲に直接影響を与えるものではなく、子宮や膣が萎縮していくのは当然としても、定期的な性生活を営んでいる限り、セックスが不可能になるということはありません。昔から言われているように「雀百まで、踊り忘れず」というのも、決して嘘ではないのです。考えようによっては、閉経後は避妊の必要がないわけで、束縛なくセックスライフを楽しむことができます。
しかし日本では、夫婦間の性交頻度は年を取るに従って減少し、45歳から月1回の人が増え、55歳からは性生活がないという人が半数以上になると言われています。
この原因は男性側にもあります。結婚生活が長くなると、どうしても性行為が単調となり、妻の性行為への興味を失わせ、次第にセックスから遠ざかるようになりがちです。
また中高年は、仕事、子どもの進学、就職、親の介護などでストレスの多い時期でもあります。そしてストレスが多いほど性機能も下がります。その上に、中高年の男性の勃起力の低下、射精の減少など、不利な条件も加わります。
しかし夫婦間の性行為は、単に快感を求め合うだけでなく、対話にも役立ちます。室内の照明やカーテンを変えたり、旅行したり、ラブホテルを利用するなどでムードを工夫し、前戯に時間をかけることにより、性生活に潤いを持つようにしたいものです。
なお閉経後には、ラブジュースと呼ばれる性分泌液の減少によって性交痛がおこりますが、これはセックスをする時の体位や、ペニスにゼリーを塗るなどで軽減できます。またホルモン補充療法によって膣をなめらかにする方法もありますので、婦人科医にお気軽にご相談ください。