2010年8月
【木曜】 尿路系の結石について
尿は、左右の腎臓で作られ、それぞれ尿管という管を通って膀胱に貯まります。そこから尿道を通って身体の外に排出されます。このすべての経路を尿路と呼び、この尿路に石ができることを尿路結石と言います。
多くの場合、尿が濃くなり、耐えがたい激しい痛みを起こします。これら尿路結石はできる場所によって痛む所が異なります。腎臓結石では上部わき腹、尿管結石ではわき腹から下腹部、膀胱結石では下腹部中央、尿道結石では外陰部が痛みます。
尿路結石を疑った場合は、まず結石がどこにあるのか、尿路に障害はないのか、また、結石ができた原因は何かをはっきりさせることが大切です。尿路結石はX線写真で映りますが、たとえば尿酸結石のように、石の成分によっては映らない場合があります。
また、結石が尿路を塞いでしまい腎臓が腫れてきて腎臓の働きが落ちてくることもあります。必ず泌尿器科専門医に相談して、血液検査などを受け診断してもらいましょう。
治療は、結石が自然に身体の外に出てくるのを待ちます。しかし、大きな結石がある場合や、腎臓がどんどん腫れてくる場合、また左右両方に結石がある場合には、積極的に治療することが必要です。以前は手術を行っていましたが、今では特殊な装置によって発生させた衝撃波を結石に当てることにより細かく砕いてしまう体外衝撃波という治療法があります。この治療法は、痛みもほとんどなく、短期間の入院で済みます。かかりつけの泌尿器科専門医に相談の上、病院を紹介してもらいましょう。
結石の予防ですが、まず尿が濃くなる夏場、あるいは汗をたくさんかく場所で働く人に多い傾向があるので、尿を薄くするために水分を十分にとります。次に、夕食と眠るまでの間隔を十分にとり、最低でも2時間以上はとりましょう。さらに、バランスの良い食事を心がけて下さい。
結石の成分によっては、薬の内服によって治療や予防が可能ですので、泌尿器科専門医に相談するようにしましょう。