兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2010年9月

【水曜】 骨も鍛えれば丈夫になる

 2025年頃に人類は火星に到達するという計画をたてています。その約半年間の火星旅行、無重力状態での生活で、宇宙飛行士が直面する大きな問題の一つが、骨や筋肉の衰えといわれています。すなわち、もし半年もの間無重力状態でのんびり暮らしていたら、骨はスカスカになり、筋肉は衰えて地球に帰ってきても立ち上がることさえ、そして骨は自分の体重を支えることさえできなくなってしまうと言われています。実際、1~2週間の宇宙旅行でも骨の密度は5~10%減ってしまいます。このために宇宙飛行士は、宇宙船の中で必ず運動するように決められています。

 このように、骨は重力に対して体を支えることによって、その強さを維持しています。骨を作る細胞は、重さがかからないとすぐにさぼって骨を作らなくなってしまうということです。従って、逆に適度に歩くこと、体重をかけることで骨を維持し強くすることが可能ともいえるわけです。いくら骨の原料となるカルシウムをとっても、ごろごろしていたのでは骨は強くなりません。日常生活の中で適度に動いて、骨に力をかけて骨を作る細胞が怠けないでしっかり働くように刺激してやる必要があります。

 水泳などより、歩くことやジョギング、ダンスといった骨に体重がかかる運動の方が、骨を強くする効果が高いと言われています。

 しかし、さらに大事なことは、転ばない、転倒しないということです。ある程度以上の年齢になるとどうしても骨は弱くなって、いわゆる骨粗鬆症の状態に近づいていきます。このような状態で転んでしまうと、手首や足の付け根(大腿骨頚部)が骨折したり、腰の骨がへしゃげてしまう脊椎圧迫骨折などを起こしてしまいます。日頃から適度に運動することによって、骨と同時に筋力や平衡感覚を維持して転ばないように気をつけることも大切です。

  また、年に1回ぐらい整形外科を受診して骨の密度を測定し、自分の骨の状態をチェックしておくことが必要です。もし骨粗鬆症になってしまう危険性があれば、骨を丈夫にするホルモン薬を飲むこともできます。骨折を予防して、元気で活動的な毎日を過ごすことができます。

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