兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2010年11月

【金土日】風邪と漢方薬

 風邪症候群とは漢方的には、発熱やさむけ、倦怠感、頭痛、関節の痛みなどの全身症状と、鼻みず・鼻詰まり、喉の痛み、咳、しわがれ声などの呼吸器症状を伴う外気から影響を受けて生じる病の、初期段階を総称したものです。

 そして、これらは大まかに二つに大別されます。

 漢方では、食物を取り入れ胃で作られたエネルギーを常時発散するために、身体の表面は温かく保たれ防衛していると考えられています。しかし、何らかの原因により体調が崩れた時、この防衛力は低下します。このような時、身体に冷たい外気に触れると冷えは身体に入ろうとします。そうすると身体は迷惑な冷えを体内へ入らないように、身体の表面でその冷えと戦いを繰り広げます。その結果、発熱したり、さむけを強く感じたりします。これを「傷寒(しょうかん)」と言います。「しょう」は「きず」、「かん」は「さむい」という文字を書きます。

 軽い症状の時には「桂枝湯(けいしとう)」など、また、インフルエンザのような重症のものには「麻黄湯(まおうとう)」などの漢方薬が用いられます。

 一方、エアコンなどの暖房器具が発達した今日、部屋の空気は乾燥しがちになる傾向にあります。この乾燥した空気は、口や鼻から入り喉や気管支を攻撃するために、身体の外側よりも上気道に対して、喉の痛み、咳、痰などの呼吸器症状が強く現れます。これを「温病(うんびょう)」といいます。「うん」は「あたたかい」、「びょう」は「やまい」という文字を書きます。

 初期にさむけはあっても僅かで、背中や全身がゾクゾクすることはありません。「銀翹散(ぎんぎょうさん)」などの漢方薬が用いられます。

 さて、このように風邪はタイプによって用いる処方が異なります。

 また、症状が刻々と変化するために、それに対応して処方も変化させなくてはなりません。風邪に罹られましたら、できるだけ早くお近くの漢方専門医を相談されることをおすすめします。

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