2010年11月
【火曜】 虫歯予防のキシリトールとリカルデントって何?
虫歯にならない甘味料、キシリトールは食品添加物としてガムやタブレットなどに用いられて、国内での歴史も十数年となり、すっかり定着した感があります。最近でこそ、「虫歯にならない」など、過度の商業的宣伝は少なくなってきておりますが、まだまだ誤解もあるようなので、整理をしていきましょう。
キシリトールは、虫歯の原因菌による酸を作り出さない点で非常に優れています。そして、自然の甘味料であることや、同等の甘さの砂糖に比べカロリーが25%であることなど、昨今の健康指向などの影響も手助けしたのかもしれません。
しかしキシリトールが有効性なのは、口の中の虫歯菌の性質を変えるところにあります。虫歯菌には虫歯の原因である酸をよく出すグループがあるのですが、キシリトールはそうした酸をよく出すグループの勢力を弱め、その結果虫歯になりにくい環境をつくり出すことになります。
またこのほか補助的な目的として、キシリトールには唾液を出す能力や、初期の虫歯をもう一度硬くする能力もあります。そしてこれらの能力は、いずれも口の中の環境の管理が行き届いているということが前提条件として発揮される能力です。
これに対してリカルデントは、今述べたようにキシリトールが虫歯を修復するという補助的な目的を、本来持ち合わせている物質です。リカルデントは甘味料ではなく、牛乳を材料とした添加物ですが、牛乳に含まれる糖質は含んでいません。そしてリカルデントは歯が崩れるのを防ぐだけでなく、修復までしてくれるのです。
近年、虫歯は蔓延の時代から確実に軽症化になってきています。虫歯はセルフケアの時代となったと言えます。
十分な口の中の清掃はもちろんとして、健康管理にキシリトールとリカルデントを加えて欲しいものです。