2011年1月
【金土日】療養病床をご存じですか
日本では、法律に基づいて入院治療のベッド、これを病床と呼んでいますが、長期にわたり療養を必要とする患者のためのベッドとして「療養病床」というものがあります。また、主として急性期の入院治療を必要とする患者のためのベッドを「一般病床」といいます。これらは病院の玄関先に掲示されているのをご覧になったことがあるでしょう。
療養病床には、次の2つの区分があります。1つは、要介護認定された患者さんに対して介護保険でサービスを提供するベッドで、必要に応じて医療も受けられる「介護療養病床」と、慢性期の状態にあって入院医療を必要とする患者に対するベッドを医療保険で提供する「医療療養病床」があります。
2006 年に交付された医療制度改革関連法の一部施行に伴って、2012 年3 月末までに介護療養病床が廃止されることとなりました。交付された当時から、全国の保険医や患者さんからは介護療養病床廃止の撤回を求める声が大きく広がっているにもかかわらず、未だに撤回することを政府は決定していません。
保険医協会の連合体である保団連は「療養病床削減に関する影響調査」を実施して、次の3つを明らかにし、政府に対して、介護療養病床の役割を評価し、介護療養病床の廃止を撤回することを求めています。
第1に、今の介護療養病床は治療の必要度が高い患者さんの療養を担っています、第2に、「入院治療が必要な時に紹介できる身近な介護療養病床は必要、ぜひ存続すべき」との意見が大勢となっています、第3に、夜間の医師や看護職員の配置が手薄な介護療養型老人保健施設は、必要な対応ができないという不安があること、などが浮き彫りになりました。
看護職員などの配置をさらに手厚くすることや、より良い医療の実現をごいっしょにめざしていきましょう。