2011年2月
【木曜】 女性に多い膀胱炎と尿失禁
まず膀胱炎は、排尿時の痛み、頻尿、残尿感、尿が濁るなどの症状が出ます。若い方にも多くみられます。女性は尿道が短く、外陰部の細菌が膀胱内に進入しやすいのです。疲れなどによって体力や免疫力が低下した時に、細菌が繁殖してしまうと膀胱炎になってしまいます。診断は、症状の問診と、尿検査で白血球や細菌を確認することで行います。
急に症状が出る「急性膀胱炎」が一般的ですが、慢性的に経過する「慢性膀胱炎」もあります。いずれも抗生物質で治療します。急性膀胱炎の場合、治療により普通は数日で改善します。飲み薬が効かない、いわゆる耐性菌などによる膀胱炎や慢性膀胱炎の場合は、治りにくいこともあります。繰り返す膀胱炎や慢性膀胱炎の場合、原因となる病気が存在することもあります。
日常生活での注意としては、水分を多く取って尿量を増やすことで、細菌を洗い流すようにしましょう。刺激の強い飲食物は症状を強くするので摂取するのを控えましょう。排尿を無理に我慢したり腹部を冷やしたりしないように心がけましょう。
急性でも慢性でも、いずれの膀胱炎も症状が出たときは早めに泌尿器科、かかりつけ医を受診してください。
次に尿失禁は、尿道が短いこと、出産によって骨盤のなかにある臓器を支える筋肉が緩くなることから、女性に多い病気です。くしゃみや咳、笑った時や走った時など、おなかに力が入った時に漏れてしまう「腹圧性尿失禁」、尿をためにくくなりトイレまで間に合わずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」が代表的ですが、それらの混合している方も多くみられます。正しい診断には、症状の問診、超音波や、尿の流れをみる検査等が必要ですが、痛みや恥ずかしさはありません。
腹圧性尿失禁は、骨盤内臓器を支える筋肉を鍛える体操や、尿道を締めるお薬などで治療します。重症の場合は手術をすることもあります。切迫性尿失禁は、尿を我慢する膀胱の訓練や、膀胱の刺激をとる飲み薬で治療します。いずれの尿失禁も治療で改善することも多いですから、恥ずかしがらず泌尿器科を受診してください。まずかかりつけ医に相談されてもいいと思います。