2011年2月
【火曜】 歯科の看護師さん?!―歯科衛生士の仕事―
皆さんは、歯医者さんに行かれたことはありますよね。その歯医者さんでピンク色など少し明るい色のウエアを着たスタッフに会われたことがありますか?それでは、その人の職業はなんと言うでしょう?「歯科の看護師さん」。ブッブー。はずれ。正解は「歯科衛生士」と言います。
歯科医院には、「歯科助手」という歯科医師のお手伝いをするスタッフもいますが、その他に歯科医師の指示のもとに、患者さんの歯石を取ったり、ブラッシングなどのプラークコントロールの指導をする国家資格を持ったスタッフの「歯科衛生士」という専門職がいます。歯を削ったり抜いたりする処置(キュア)だけの歯科医療から、口腔ケアなど予防も並行して行う近代的な歯科医療に移りつつある現在において、その役割がクローズアップされています。
かつての歯科医院は、患者さんは椅子に座ったままで、歯科医師が立って診療するのが主流でした(立位診療)。それが30年位前から、アメリカの影響で、患者さんを仰向けに寝かせて、歯科医師が座って診療するスタイル(水平位診療)に変わるにともなって、歯科医師と歯科衛生士がチームを組んで患者さんを診ることが基本になってきました。
歯科衛生士の需要が高まってきたので、その養成期間も、2年程度の短い養成期間の学校が主流でしたが、最近では、短期大学も専門学校も3年制になり、4年制の国立大学まであります。
「歯科衛生士」に求められる知識や技術は年々増えてきました。例えば歯ブラシひとつにしても、種類やブラッシングの方法がいくつもあり、何冊もの本が書けるほどです。また、高齢化社会とともに、歯科も介護分野に関わるようになり、歯科のリハビリテーションを担うようになりました。食べ物を飲み込む嚥下訓練を行うのも歯科衛生士の仕事のひとつです。
しかし、専門職としての歯科衛生士の業務に対する診療報酬はほとんどないのが現状です。やりがいを持って働く場を保障するためにも歯科診療報酬の引き上げが必要です。
皆さんが日頃、歯科医院で見かける歯科衛生士さんは、歯科医師と同様に日々勉強を重ねています。歯のこと、ムシ歯や歯周病の予防で解らないことがあったら質問してみてください。きっと解りやすい言葉で、優しく教えてもらえると思いますよ。