兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年3月

【金土日】後発(ジェネリック)医薬品

 医療費の増加を抑制するための政策の一つとして、国は後発医薬品(後発品)の利用を促進し、数量で30%以上にするという目標を掲げています。そのために医師が書く処方箋には「後発医薬品への変更不可」という欄に署名がない場合に、患者さんが後発品を希望すれば、薬剤師と相談の上で使用できるという促進策をとりました。

 しかしながら平成22年度の後発品の使用状況調査では、22%となかなか増えていません。この調査では後発品を希望しなかった最も多い理由は「これまで使っていた薬を変えることに抵抗がある」でした。また後発品から先発品に戻した理由の最も多いのは「使用感が合わなかった」、次いで「効果に疑問があった」でした。

 後発品とは、先発品の特許期限が切れたのちに、先発品と有効成分、用法、用量を同じにしたものです。

 しかし先発品に含まれる添加物や薬剤の形に特許などがあることから、有効成分以外の物質については先発品と後発品は全く同一ではありません。先発品には有効成分以外の物質を含んでいますが、それらを総合して、実際に患者さんに使用する試験で有効性と安全性が確かめられています。これに対して後発品は、品質の安定性と有効性を示す血液の中の薬の濃度が、先発品と比べてプラスマイナス20%以内という試験は実施されていますが、安全性の試験はありません。そのため安い値段というメリットと引き換えに、先発品に比べて十分に有効性と安全性が確認されていないというリスクがあるのです。もちろん後発品の安心促進プログラムにのっとり検証が進みつつあることも事実です。

 米国では、後発品と先発品が必ずしも同等ではないとの認識に基づいて、米国食品医薬品局(FDA)は後発品のランク付けを行っています。後発品の利用促進をはかるのであれば、必要な費用をかけて第三者機関で検証した上で、薬効を評価する医師と製剤を評価する薬剤師との緊密な連携のもとで、自信を持って使用したいものです。

 また医師や薬剤師が、患者さんに対して「何かあったらすぐに気軽にご相談ください」との一言を付け加え、しっかりと効果と副作用を見極めることは、先発品でも後発品でも全く変わりないと思います。

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