2011年4月
【月曜】 ドライアイ-シェーグレン症候群にも注意―
最近はパソコン、エアコン、コンタクトレンズの使用により、涙が蒸発し、目が疲れる、乾く、痛いなどの症状が起こり、眼科受診で「ドライアイ」といわれたことがあると思います。
ドライアイが進むと、目がゴロゴロする、目が赤い、不快感がある、光がまぶしいなどの症状が出ます。
現在ドライアイの患者は、およそ800万人と言われており、とても頻度の高い病気です。ドライアイとは、涙の減少や蒸発が多くなることによる異常で起こります。涙の量および質が問題となりますので、特別な検査で涙の量や質を測定することで判断します。
涙の出ない原因には、向精神薬、抗ヒスタミン薬などの飲み薬による副作用の場合があります。また、涙を調整する神経が障害される自己免疫の病気である「シェーグレン症候群」という場合もあります。さらに、緑内障の眼薬の副作用などで障害を起こしたものも考えられます。
涙が蒸発しやすい原因には、エアコンや扇風機によって目が乾いたり、画面を見続けてまばたきする回数が減ったり、コンタクトレンズによる涙の吸収などがあります。
「アレルギー性結膜炎」や、甲状腺の病気による「眼球の突出」、瞼を閉じることが困難な「兎(と)眼症(がんしょう)」、瞼のふちより油を出す働きのある「マイボーム腺(せん)」の異常、また、高齢者にみられる、結膜のたるみなども、ドライアイが起こりやすくなります。
ドライアイの治療としては、主に涙の人工の液や、ヒアルロン酸の眼薬を使います。また外料的な治療もいくつかあります。
最後にシェーグレン症候群について、お話します。
ドライアイは目だけに現れる病気ですが、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群の場合は、目の他に多くの病気を併発します。目や口の中の乾燥、唾液腺が脹れたり、気道や気管支の乾燥が起こったり、また肺や腎の病変、中枢神経障害、精神障害など、多くの臓器が障害を受けます。50代女性に発生することが多く、原因は現在判明していません。
目や口の中が乾く症状があれば、一応シェーグレン症候群のことも考慮して、眼科を受診して専門医を紹介してもらうようにしましょう。