2011年5月
【月曜】 子どもの言葉の遅れ
子どもの言葉の遅れとは、子どもが、その年齢で当然できると思われる程度の言葉を使って、コミュニケーションを保つことができない状態をいいます。
言葉の遅れの原因には、主に次のようなものがあります。
1つ目は、精神発達の遅れ、いわゆる知恵遅れがあります。2つ目に、難聴も重要な原因になります。3つ目に、自閉症ないし自閉傾向による、他人とのコミュニケーションの障害があげられます。4つ目に、幼児期に人との接触がほとんどない状況や、逆に極端な過保護などの不適切な言語環境です。5つ目に、発音器官の形や運動の異常なども影響します。
しかし、実際には、以上のような原因がないにもかかわらず、言葉の発達が遅れる場合は「特発性言語発達遅滞」と呼ばれますが、これは安心していただいて大丈夫です。
さて、言葉の発達にはかなりの個人差があり、また、精神や運動の発達と切り離すことができないため、言葉の遅れを発見するには、その子どもの全体の発達状況をみる必要があります。また、難聴のように早期発見が特に重要な場合もあり、次に述べるような場合には、小児科や小児精神科、あるいは保健所等の専門家に相談することが必要です。
年齢順に述べますと、1歳を過ぎても「アーアー、ウーウー」などの母音しか出せない。1歳半でも「マ」や「パ」、「バ」などの音がはっきりしない。2歳を過ぎても単語が出ない。3歳を過ぎても「ママいない」のような文章にならない。5歳を過ぎても例えば「おかあさんからお菓子をあげた」など受け身の表現ができなかったり、また、「空」の発音を「とら」とか「ちょら」と言ったり、「線路」を「てんど」と言うなど、難しい音をやさしい音で置き換えるなどが目安となるでしょう。
いずれの年齢でも、まずは小児科などを受診し、単語が増えてきているかどうかなど、発達する傾向にあるかどうかを見極めてもらい、発達する傾向がみられない時は、必要であれば専門家などを紹介してもらいましょう。