2011年6月
【月曜】 学習障害とは
学習障害とは、学力を評価し、それが低下しているという意味ではありません。
1999年に当時の文部省は、学習障害について次の通り定義しました。基本的には知的発達に遅れがなく、聞く、話す、読む、計算する、ということが苦手な状態を指すものです。原因として、中心となる神経に障害があると推定されますが、視覚や聴覚の障害、また知的障害や情緒障害などの障害、さらに環境的な要因が直接の原因になるものではない、と定義しています。
また、「注意欠陥多動障害」いわゆるADHDや、「広汎性発達障害」と呼ばれるものを併せもつことがあります。しかし、これらの診断は難しく、対策として教育内容と深くかかわってきますから、ここでは触れません。
文部省が定義した学習障害について詳しく述べます。
一人ひとりの障害の程度が重複していたり、その重さが異なっていたりして症状が様々であるため、きめ細かな指導と援助が大切になります。小学校入学以前に、言葉の遅れや運動が苦手なことに気づくことがあります。また入学後に、知的発達と一部の教科の学習の困難さのギャップから、教師がくりかえし指導したり、とがめたりすることによって、子ども自身の自己評価を下げる二次的障害も起こりえます。不登校やいじめや虐待の原因になることすらあります。
学習障害の疑いがあるときは、最寄りの小児科医等を受診し、必要な場合は専門医を紹介してもらいましょう。正確な診断のもとで、学校や家庭での教育や、生活への個別的指導をしてもらうことが必要でしょう。
教育委員会の教育相談や小児神経科や精神科専門医のフォローアップなどで、適宜指導を受けるようにしましょう。教育の面では、担任まかせにするのではなく、学校と家庭が協力・連携して、該当する子どもたちの教育や生活の指導・支援を継続的にしていくようにしましょう。