兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年7月

【火曜】 スポーツドリンクで歯が溶ける?!

 最近、お子さんに水やお茶の代わりとして、スポーツドリンクやイオン飲料を飲ませているお母さんをよく見かけます。

 そもそも、お子さんが病気の時、脱水症状の予防のためにと病院ですすめられたのが始まりで、その時「水よりも体に良い」と思いこんでしまい、病気が治ってもそのまま飲ませ続けているというケースがほとんどのようです。

 スポーツドリンクやイオン飲料は、激しいスポーツの後や病気の時などに、水分を早く補ってくれるものです。しかし、糖分補給のための果糖やぶどう糖がたくさん含まれていることが成分表示で分かります。

 そのうえ、意外に酸性度が強いため、とても虫歯を作りやすい飲み物なのです。数値が低いほど酸性度が強いことを示すpH(ペーハー・pH=7が中性)では、歯のエナメル質はpH 5.4~5.5以下で溶け始めますが、スポーツドリンクはpH2~4と意外に強いのです。そのため、水の代わりに飲ませたり、哺乳ビンで飲ませたり、寝る前に飲ませたりすれば、当然虫歯の原因になります。

 特に、乳歯や生えたばかりの永久歯は柔らかいので、思いもよらないほどひどい虫歯になってしまうことも少なくありません。歯が溶けるというと大げさなように思われるかもしれませんが、実際本当に溶けるように虫歯になってしまうのです。ですから、病気が治ったらすぐに飲ませることをやめて、健康な時の水分補給は水かお茶にしましょう。

 また、永久歯が生えそろった中学生や高校生でも安心はできません。炎天下でのスポーツの後に飲むのは構いませんが、普段の生活の時にもスポーツドリンクを飲み続けていると、固い永久歯でも虫歯になります。特に上の前歯が溶けてきます。

 虫歯の始まりは、歯がチョークの様に白っぽくなり、ざらざらした感じになるのが特徴です。歯にツヤがなくなってきたり、急に白っぽくなったりしたら、一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。小さなお子さんは小児歯科医院へ行かれるとよいでしょう。

 みなさん、スポーツドリンクにはくれぐれもご用心ください。 

 

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