2011年10月
【水曜】 骨粗鬆症の骨折防止
骨粗鬆症とは、骨がすかすかになって骨折しやすい病気のことを言います。65歳以上の人の約1/3に骨粗鬆症が始まっていると言われています。骨粗鬆症による骨折は高齢者にとっては時に寝たきりに直結してしまうので深刻な病気です。では骨粗鬆症になる骨では何が起こっているのでしょうか?
外から見ると骨は全く変化しないように見えますが、実は古い骨が溶かされ新しい骨におきかえられているのです。まず骨を溶かす細胞が古くなった骨を溶かし、その後を追うように骨を作る細胞が新しい骨を作っているのです。健康な時は、これらの細胞のバランスは絶妙に保たれているため、骨の量が減っていくということはありません。しかし、加齢や閉経といった理由で、骨を溶かす力が骨を作る力を上回ってしまうと、骨の量はどんどん低下してしまいます。これが骨粗鬆症です。
従って骨粗鬆症の予防薬も、これらの細胞に対して働きかける薬が主流になっています。
従来は、骨を溶かす作用を抑える薬がよく使われていました。骨を溶かす作用を抑えることでバランスを保ち骨が減っていくのを防ぐ、とても理に適った薬剤です。一方で最近では、骨を作る作用を強化する薬も発売されて話題になっています。この種の薬は、骨を作る作用を強化することでバランスを保ち、更にはより強力に新しい骨を作り出す作用も期待できると考えられています。
このように、骨粗鬆症の治療も効果的な新薬の登場とともに予防や治療が可能になってきました。しかし、骨粗鬆症の人が、実際にお医者さんで治療されることは非常に少ないのが現状です。症状がないからと何もしないのではなく、より早期に治療をはじめると骨折の危険性を減らすことができます。
骨の健康に不安を感じたら、早めに近くのお医者さんに相談してください。