兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2011年12月

【水曜】 狭心症と心筋梗塞

 心臓は、「心筋」と呼ばれる筋肉で作られ、その心筋を包む動脈を、冠の動脈と書く冠動脈と呼んでいます。狭心症とは、冠動脈に必要な栄養や酸素が十分に与えられなくなった時に、一時的に血の流れが悪くなるため、胸の中央付近に圧迫感や不快感が起こる症状です。

 狭心症の分類は、現在は、発作の原因や経過、起こり方で、安定狭心症と不安定狭心症とに分けています。

 「安定狭心症」には、症状の変化が少ないけれど、決まった体の動きの量で狭心症の症状を繰り返し起こすものと、感情の変化等でその冠動脈がけいれんして起こる狭心症とがあります。その痛みの程度や続く時間は人により様々です

 「不安定狭心症」は、病気の起こり始めが「急性心筋梗塞」と同じであることから、現在ではこれら2つをひとくくりにして、急性冠症候群としています。

 「急性心筋梗塞」は、心電図検査でSTという部分が上昇するものとしないものとに分けられます。上昇しているものは、冠動脈が完全に塞がって心筋の血の流れが悪くなり、心筋が働かなくなります。上昇しないものはそこまで悪くなっていません。

 不安定狭心症と、STの上昇しない急性心筋梗塞とは、初期の症状が似ているため、まず血液検査を手がかりにします。不安定狭心症では冠動脈は完全に詰まっていない状態ですから、心筋の血の流れは減りますが心筋は死んでいません。症状はすぐに収まります。

 急患が来られた医療現場では、まず心電図の変化で見分けて治療戦略を決めます。症状の起こり方や経過、症状、重症度判定、緊急性などを参考にします。

 強力な内科的治療を受けていても、安静時、服の着替え、階段を登るなどの日常的な動作でも症状が起こった時や、心電図や血液検査の値の異常、あるいは不整脈が出はじめているならば、主治医が推薦する専門医の受診をおすすめします。

 このような病気にならないためには、日頃から「完璧主義」にこだわらず、休養を十分とり、不愉快なことや人に裏切られたような出来事をいつまでも引きずらないことが大切です。そのような出来事が起こった時に助けてくれる人を探すことをおすすめします。視点を変えると案外見つかるものです。 

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