兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年1月

【金土日】高齢者の肺炎

 高齢者の肺炎についての注意点は2つあります。1つは誤嚥をしやすいこと、もう1つは抵抗力の低下で症状が出にくいことです。

 誤嚥というのは、口から飲み込んだ物がお腹に入らずに、息の入る気管に間違って入ってしまうことを指します。若い方なら咳・痰・熱などがはっきり現れますが、高齢者の場合は余程注意深く観察しないと、見過ごしてしまいがちです。必ず「ごっくん」を見届けるようにしましょう。

 食欲が少しずつ落ちてきたとか、すぐに横になってしまうなどから始まることも珍しくありません。夜寝ている時、咳き込んでいたり寝汗をかいていたりしていることも多々あります。まずは日常の動作・顔色・食事の量・外出の頻度などをよく見てあげてください。

 抵抗力を上げるためには、まず食事の内容が関係します。ご飯・パン・麺類などのでんぷんは最低限必要です。肉・魚・卵・大豆などの蛋白質も重要です。そして、野菜・果物でビタミン・ミネラルなどを補給することが大切です。たくさんは要りませんが、バランス良く食べたいものです。

 食後に大事な作業があります。それは口の中をきれいにすることです。よくうがいをして、歯ブラシでしっかり食べかすを取りましょう。食べかすを誤嚥して、肺炎を引き起こすことが多いからです。高齢者のほとんどは誤嚥しています。無意識に気管に入ってしまっています。汚いものを誤嚥することを防ぐためには、口の中をきれいにすることが必要なのです。

 誤嚥を少しでも減らすには、よく声を出すことも大切です。喋らなくなるとよけいに飲み込む力が落ちてしまいます。日頃から声を出したりしゃべったり、飲みこむことを練習したりして、よく口を動かすようにしましょう。

 一部の肺炎やインフルエンザには予防ワクチンがあります。かかりつけ医と相談してください。費用面でも補助が出る制度もありますので、役所の方にも相談してください。

 高齢者に限らず結核も注意が必要になっています。特に市街地は結核の多い地域ですので、注意しましょう。

 2週間以上咳が続くようなら、診察を受けて胸のレントゲンを撮ってもらいましょう。 

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