2012年1月
【水曜】 家庭血圧測定の重要性
病院や診療所で測定する血圧測定に比べて、家庭で血圧を自己測定することにより日常の生活における血圧の変化をかなり正確に見ることができます。
高血圧症の中には、家庭血圧は正常なのに診察室で測定すると高くなる「白衣高血圧」や、診察室では血圧が正常なのに家庭で測ると高くなる「仮面高血圧」があり、家庭血圧測定によって診察室での血圧測定だけでは診断することができない血圧の重要な変化を見つけることができます。
通常、血圧は夜間の睡眠中に下がり、早朝の目覚めとともに上昇してきますが、夜なっても下がらなかったり、また明け方に急激に上昇することがあります。明け方から早朝にかけて血圧が高い数値を示すタイプを「早朝高血圧」と呼び、脳卒中や心筋梗塞を起こす危険性が高いといわれています。このような早朝高血圧を見つけるには、起きて直ぐに血圧を測定することが大切です。
血圧を測定するタイミングは、起床して一時間以内に排尿した後、朝食・服用前と、夕食を済ませ入浴後一時間以上経過した寝る前の、一日二回の測定がすすめられます。測定の際には、心身ともに安静の状態で測定することが重要です。また測定の結果を記録し、主治医に診てもらうことにより、血圧のコントロールの状態をより正確に把握することができます。
ただし、日々の血圧の測定値はかなり変動する場合も多いものです。一般に家庭血圧測定では、上が135(mmHg)、下が85(mmHg)以上を治療の対象としますから、決して一喜一憂することなく主治医に見せて相談してください。血圧の上下によって決して自己判断で薬の量を変更したり、中断したりすることがないようにしてください。
血圧自己測定器は、家電量販店でもいろいろな種類のものが売っています。指先や、手首で測定する手軽なものもありますが、どうしても測定誤差が出やすい傾向がありますので、できれば上腕つまり肘の上で測定するものがすすめられます。
血圧を測定したことがない方や、血圧の異常がないと思われている方も、是非一家に一台は血圧自己測定器をお持ちになり、普段の自分の血圧の状態を知っておくことは、自己管理の面からも重要なことです。