兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年2月

【金土日】褥瘡(床ずれ)の予防と最近の治療

 褥瘡(じょくそう)は、身体の表面に加わった圧力とずれの力のために、血液の流れが悪くなってできた皮膚のきず、いわゆる「床ずれ」です。

 どういう人にできやすいかというと、自分で寝返りができない、骨が病的に突出している、関節が固まって動かない、栄養状態が悪い、汗や排泄物で皮膚が湿っている、むくみがあるなどの患者さんです。このような状態があれば褥瘡予防のために、早期に「体圧分散マットレス」と呼ばれる、体にかかる圧を分散させるものを使用するのがおすすめです。

 患者さんをベッド上で上体を持ち上げる時は、体がずれないように気をつけながら30度くらいに保ちます。いすの座り方も、腰・膝をそれぞれ直角に曲げて、床に足の裏全体がつくようにし、いすのクッションも、体重の圧を分散させるものを選びましょう。円座は部分的に血液の流れが悪くなるので使わないでください。

 体位交換は2時間毎が望ましいのですが、マットレスやクッションをうまく組み合わせると、4時間毎でもよいと言われています。

 できる限り口から食事をとることが大事で、嚥下の力を高めるため口腔ケアも重要です。食事で補給できるものがあるか医師にご相談ください。

 皮膚は湿り過ぎても乾燥し過ぎても弱くなります。特に排泄物の影響を最小限にするための方法や、皮膚保護の軟膏など皮膚科医のアドバイスも受けてください。何より入浴して清潔にするのが大切です。

 いろいろ気をつけても褥瘡ができてしまうことはありますが、要は早期発見です。体位の交換やオムツ交換の時に赤みが出ていて、体位を変えて30分以上経っても赤みが消えない時は、医師や看護師にすぐ伝えてください。

 実際の褥瘡の重症度は、見た目からは判断できないことがあり、皮膚の構造から、深い部分がつぶされていることがあります。十分に洗浄し、悪い部分はとり除いて、きずから出る浸出液をうまく吸いとる工夫をするために、早くから専門の医師の診療を受けてください。その指導のもとならご家族にもできる方法があります。

 褥瘡のまわりが赤い、うみが出る、熱をもっているなどは細菌感染が起こっている状態ですので、一刻も早く医師に連絡して治療を受けてください。

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