2012年3月
【火曜】 東日本大震災から1年、兵庫県保険医協会の取り組み
東日本大地震発生から約1年がたちました。死者・行方不明者は2万人にのぼり、被災者の生活再建はまだ始まったばかりです。また、福島で起きた原発事故は残念ながら収束の目途が立っていません。今なお困難な生活を強いられている方々に、あらためてお見舞い申し上げます。
こんな中、私たち兵庫県保険医協会は、17年前の阪神淡路大震災の教訓を生かして、いち早く被災地の支援に取り組んできました。
震災発生直後から現在に至るまで10回以上にわたって、医師や歯科医師などの医療支援ボランティアを派遣し、救急処置や医療相談活動、ミニコンサートなどを行なってきました。歯ブラシ一本にも事欠く方もおられ、大変喜ばれました。
今、私たちは、被災者の暮らしと命を守るための生活再建支援や、被災した医療機関が再建できるよう、国に公的助成を求めています。
阪神淡路大震災の時は、被災者の生活や住宅の再建は「自己責任」とされ、公的な支援の仕組みはまったくありませんでした。その後の粘り強い運動で「被災者生活再建支援法」が出来、1世帯あたり最高300万円までの支援が阪神淡路大震災後の災害では受けられるようになりました。さらに、適用条件の緩和、支援限度額の引き上げも要求しています。また、被災者の医療費窓口負担を免除する期間を復興が完了するまで延長するよう求めるとともに、危険な原発をやめ、エネルギー政策の転換を求めています。
阪神淡路大震災では、「創造的復興」と称して、神戸空港建設などの大型開発ばかりが優先されました。被災者の生活支援がなおざりにされてきた苦い教訓があります。今もって公的支援が受けられないままです。そのため、二重ローンに苦しむ方や、住宅を追い出されようとしている方がまだ多くおられます。
東日本大震災で、同じような失敗を繰りかえさないよう訴えています。すべての被災者が一日も早く元の生活に戻れるよう、住民本位の復興を求める連帯の声を上げていきましょう。