2012年3月
【月曜】 発疹のでる病気と出席停止について
学校や幼稚園、保育所では、伝染する病気が広がらないように、出席停止の措置がとられることがあります。今回は、特に皮膚に発疹のでる病気と出席停止についてお話します。
学校保健法で示されている出席停止期間の基準は次のとおりです。
「麻疹(はしか)」は、熱が下がってから3日間が過ぎるまで。「風疹(ふうしん)」は、発疹が消えてしまうまで。「水痘(水ぼうそう)」は、すべての発疹がかさぶたになってしまうまでです。この中で、麻疹は症状が重く、体力も低下していることが多いので、本人の健康状態の回復を待つために、感染力がなくなってからも少し長めに出席停止期間が定められています。
その他、法律には示されていませんが、しばしば問題になる病気には、「手足口病」、「伝染性紅斑(こうはん)」いわゆるリンゴ病、「溶連菌感染症」、「伝染性膿痂疹(のうかしん)」いわゆるとびひがあります。
実際の扱いは地域や学校によって異なっているのが現状で、ここでは一般的な説明を行います。
手足口病は、ウイルスを排出し感染源となりうる期間が、発疹のでる前から消えたあとまで数週間と長く、また症状は出ていなくてもウイルスを排出している感染者も多いことから、流行を防ぐという意味からの出席停止の必要はないとされています。ひとり一人の症状、回復状態をみて判断すべきものでしょう。
リンゴ病は、特徴的な発疹が出てきて初めて診断されますが、その時にはすでにウイルスの排出は終わっています。ですから、人には伝染しない時期に入っているため、診断がついてからの出席停止の意味はありません。手足口病とリンゴ病については、日本やアメリカの小児科学会でも、出席停止の必要はないという見解を出しています。
溶連菌感染症ととびひは、有効な抗生物質をきちんと飲めば、数日で感染力はなくなりますので、まず正しく診断してもらい、確実に治療することが大切です。その上で、出席停止期間は、個別に医師と相談して決めるようにしましょう。