2012年4月
【木曜】 尿失禁に対する紙おむつの使い方
超高齢社会になり、尿漏れ、すなわち尿失禁に悩む人が男女を問わず増えています。恥ずかしいからと人には相談できず、尿失禁用の紙おむつを使用している人も多いようです。
尿失禁用の紙おむつは、近年目覚しい進歩があります。通気性が良くなってムレが少なくなったり、オムツの横からの漏れを防止する工夫がされていたり、肌にやさしい素材を使ってはき心地を良くしたものも発売されています。
紙おむつは 大まかにわけると パッドタイプとパンツタイプがあります。寝たきりであるとか、外出できるかなど利用者の状態や、失禁してしまう尿の量に応じて、それに適したおむつを選ぶことができます。また尿漏れの多い時は、パッドタイプとパンツタイプの組み合わせが有効なこともあります。
脳梗塞など麻痺のある方は 夜間に無理してトイレまで歩いて転倒し、大腿骨骨折などで寝たきりとなる危険性もあります。また、認知症の方はトイレの場所がわからず、部屋で排尿して汚してしますこともあります。このようなケースでは、紙おむつは本人や介護者の負担を減らす有力な助けとなります。
ただし、むやみに紙おむつに頼ると、かえって尿失禁の原因や根本的な治療をうけるチャンスを失いかねません。例えば、咳やくしゃみでお腹に力がかかったときに漏れる「腹圧性尿失禁」や、尿意を感じてから我慢ができずに膀胱が収縮してしまい尿が漏れる「切迫性尿失禁」などは、適切な診断と治療を受けましょう。そうすることで尿失禁が改善されて、オムツなしの生活ができるようになることも多々あります。
尿漏れが起こったら 恥ずかしがらずに 早めにかかりつけ医に相談して、必要であれば泌尿器科専門医の診察を受けるようにしましょう。
また、寝たきりの方のおむつ代金は、医療費控除の対象となる場合がありますので、領収書を残しておき、主治医の証明書とともに確定申告してください。