2012年4月
【水曜】 腰痛の診断と予防
「最近なんとなく腰が重い、だるい、ぎくっとなりそうで怖い」といった、腰痛予備軍とも言える症状をお持ちの方も多いと思います。「一生で腰痛を一度も経験しない人はいない」と言われるように、体の要(かなめ)、腰の痛みは日常生活に影響してしまいます。
ほとんどの腰痛は、1カ月以内に自然に治ってしまうという安全な腰痛です。しかし、どんどん痛みが強くなって、夜に眠れないとか、下肢にしびれや痛みが走って歩きにくい、発熱や体重減少といった他の症状が伴う場合は、整形外科医による診断が必要です。椎間板ヘルニアによる座骨神経痛、骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折、脊柱管狭窄症による歩行困難、まれにはがんの転移などの可能性があるからです。
最近は脊椎の手術だけでなく、骨粗鬆症の治療薬も進歩しています。骨を強くする注射も使用できるようになっています。
一般的に多い、いわゆる腰痛ではあまり安静にする必要はありません。むしろ少しずつ動かした方が早く治ると言われています。痛み止めや湿布、コルセットなどを上手に使いながら、自分自身で腹筋や背筋のストレッチなどを行なっていく方が早く治ります。
また、日常の不自然な動作の積み重ねが腰痛の原因となっていることも多いようです。床の物を持ち上げる時に、中腰の姿勢ではなく、きちんと膝を曲げて腰を落として体の正面で持つようにしましょう。椅子に座る時は、お尻を引いて深くきっちり座るようにしましょう。このことは、どんなスポーツでも良い姿勢、美しい姿勢を大切にすることと同様です。
無理な姿勢で物を持ったり、テレビを見る姿勢が悪かったり、思わぬところで腰に負担がかかっていることが多いものです。美しい姿勢、体のバランス、スムースな動きは腰への負担も少なくしてくれます。
日常生活を美しい動作で行なうことが、あなたの腰にかかる負担を少なくし、腰痛の予防につながると思います。