2012年6月
【木曜】 喉頭がん、舌がんのはなし
喉頭は、首ののど仏の部分にあり、鼻や口から入った空気は喉頭を通って気管、肺に広がってゆきます。喉頭があることで声を出すことができます。
喉頭がん患者のうち96%は喫煙者で、男女比は10:1と圧倒的に男性に多いがんです。タバコが関連している代表的ながんの一つです。症状は声枯れと、のどのイガイガ感です。進行すると、ものを飲み込む時の痛みや呼吸困難が起こります。診断は喉頭ファイバースコープで観察することで確認することができます。
舌がんは、口腔内に発生するがんの約90%を占め、舌がん患者の男女比は約2:1と男性に多くみられます。好発年齢は50歳代後半です。原因はまだ明らかではありませんが、アルコールやタバコなどの化学的な刺激で徐々に進行したり、歯並びの悪い歯が常に当たる機械的な刺激などが引き金と考えられています。
舌は自分で見ることができるためか、約2/3は初期の状態で受診されます。舌の裏側は自分では見にくく症状も出現しにくいため、進行した状態で受診される方も少なくありません。症状は、舌にできるしこりです。初期には痛みを伴うとは限りません。白い部分を伴うこともあります。進行すると大きくなり、へこみを伴うと持続する痛みが出てきます。
診断の方法は、喉頭がん、舌がんともに、その部位を小さく切り取って顕微鏡検査にて診断をつけます。
治療には、発声や発音、飲み込みなどの本来の機能を温存しながら、病気の根本治療を図ることが求められます。
治療は、主に手術療法と放射線治療があり、レーザーを用いる施設もあります。また病気の進行に合わせて、抗がん剤による化学療法もこれらの治療との組み合わせで行われることがあります。
声枯れや舌の痛みが持続したりしこりのある場合には、耳鼻咽喉科を一度受診されることをおすすめします。