兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年6月

【水曜】 便に血が混じっていたら

 便に血が混じる病気で、一番多いものは痔からの出血でしょう。

 肛門の中に出来る「内痔核」は、痛みもなく突然便器が真っ赤な血で染まるので、びっくりされます。切れ痔は、排便時に肛門に痛みを感じることが多く、排便後に紙に血がつく程度の出血です。

 次に、大腸にできた腫瘍からの出血があります。そのほとんどがポリープかがんです。大腸がんの初期には、ほとんど症状がありません。がんが進行してきますと、便に血が混じる他に、便秘がちになったり、便秘と下痢を繰り返したり、排便してもすっきりせず便が残っている感じがしたり、腹痛を伴う様になってきます。この様な症状が現れると、がんはかなり進んでいると思われますので、すぐに医療機関を受診してください。

 それ以外に、下痢に混じって血が出る病気もあります。その1つに「食中毒」があります。これは腹痛や発熱、下痢に混じって血が出ます。

 食中毒と症状が似ている「潰瘍性大腸炎」も、やはり下痢に混じって血が出ます。この病気は難病として厚生労働省で特定疾患に指定されています。近年増えており、比較的若い人に発病します。

 その他、「虚血性大腸炎」や「憩室」からの出血があります。

 虚血性大腸炎は、大腸の粘膜への血液の流れが悪くなって、腸粘膜に潰瘍を作る病気です。激しい腹痛の後に、下痢とともに血便が見られます。

 憩室からの出血は、大腸の粘膜がポケット状に飛び出して出来る憩室からの出血です。何の前ぶれもなく突然血便が出ます。

 いずれにしても、便に血が混じる様な症状がみられましたら、痔と簡単に考えずに専門医で大腸内視鏡検査を受けられることをおすすめします。

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