兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年6月

【月曜】 プールと目の病気

 時々、「プールで結膜炎をうつされた」というのを聞いたことがあると思いますが、細菌性の結膜炎はプールによるものよりも、日常生活で汚れた手で目をこすったことが原因となることが多いのです。

  昔から言われている、プールによる「はやり目」や「プール熱」は、ウイルスの一種のアデノウイルスにより引き起こされ、子どもに多く、人にうつる結膜炎であり、「咽頭結膜熱」と言われるものです。

 プールでうつっても、症状が出てくるのに約1週間の潜伏期間があります。結膜炎としての症状は軽く、目やに、充血等が主です。3日~5日の微熱と、のどの痛みが出てくるので、風邪と間違われることが多くあります。経過は順調で、後遺症もなく治ることがほとんどです。

  症状が出れば、通常は1週間ぐらいで治りますが、治まってから2日ほどは学校を休んだ方がよいでしょう。

  一般に、大人は夏風邪として以前ウイルスにかかっており、約80%の人は抗体をもっているので、この病気にかかることは少ないです。

  乳幼児がかかると腸内に感染して、大便の中に数カ月にわたってこのウイルスを出し続けます。そのため症状が治ってからプールに入ると、大便の中のウイルスが感染源となる場合があります。

 「はやり眼」や「プール熱」以外で起こる結膜炎として、プールに入れられている塩素によって化学的刺激を受けたために起こる結膜炎があります。その予防としては、プールから上がった後に、プールの水よりも塩素濃度の少ない水道水で眼を洗うことです。これで防げない場合は、プールに入るときにゴーグルをつけるのがよいでしょう。最近では、多くの小・中学校でゴーグルの着用を認めてくれています。

  プールで目が充血したり、目やにが出たりする場合は自分で判断するのではなく、かかりつけの医師に相談してください。

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