2012年7月
【月曜】 子どもの指しゃぶり
赤ちゃんの指しゃぶりは、見ていて微笑ましくかわいいものです。新生児には母乳を飲むための「哺乳反射」として、唇に当たったものを吸う生まれつきの性質があります。
指しゃぶりは、生後2カ月位で偶然、指が自分の唇にふれたとき、反射的に「哺乳反射」で吸うことから始まり、繰り返しているうちに、お腹がすいたり眠かったりした時に、指しゃぶりをすることで自己満足するようになってきます。
2歳以降の指しゃぶりは、手持ち無沙汰や不安、不満、緊張感などをきっかけに、子ども自身の内向的になりやすい性格を背景として、習慣になることが多いと考えられています。
指しゃぶりは、たいていは3歳から6歳頃までの間に、永久歯が生える前には自然に消えてしまいます。2歳を過ぎて遊びもしないで指しゃぶりばかりしているようなら、愛情深く思いやりをもって子どもと触れ合いましょう。室内で遊ぶよりも外遊びをして、できれば異なる年齢の子どもたちとかかわりながら、生きいきと輝いて成長できる環境を整えてあげましょう。子どもが自分で自分を慰めたりしなくても済むようにすることが大切でしょう。
一方で、ひどい指しゃぶりは、歯並びや噛み合わせを悪くする可能性があると考えられています。このような重症のものはまれですが、4-5歳以降もひどい指しゃぶりが長時間続くような場合は、小児歯科で相談することをおすすめします。
なお、以前流行していたシリコン製「おしゃぶり」は、歯並び、噛み合わせの影響をはじめ多くの点からすすめられないという報告がありますから、注意しましょう。