兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年8月

【金土日】ステロイド外用剤のはなし

 医療では、単にステロイドと言えば普通、「副腎皮質ホルモン」のことを意味します。

 ホルモンは体内で作られますが、約60年前に、人工的に合成したステロイドを関節リウマチの方に使って、関節の腫れや痛みがなくなったことから、様々な病気に使われるようになりました。

 体内ではホルモンとして色々な働きをしますが、薬として使われる場合は、主に炎症と免疫を抑える作用を利用しています。炎症があると赤くなり熱をもったり、腫れて痛かったりするわけですが、それらを和らげることができます。ステロイドを使う主な病気は、関節リウマチ等の膠原病に代表される自己免疫病や、自分以外のものを拒絶して起こる様々なアレルギー等があります。

 ステロイドは歴史があるので、注射、飲み薬、塗り薬などすべての使い方ができるように工夫されています。使用する時は、できるだけ症状のある場所に限った方が少量でも効果がよく、副作用を少なくすることができます。

 効果の強い薬である一方、もともと体内にあるホルモンを利用しているわけですから、本来のホルモンとしての働きの結果、様々な副作用が知られています。

 ステロイド外用剤をアトピー性皮膚炎に使用する時でも、症状が良くなれば薬を塗ることを止められます。急に中止すると一時的に症状が悪化した様に感じられることがあるかも知れませんが、それはリバウンドではなく、まだ症状が十分に良くなっていないために起こる現象です。徐々に塗る量や回数を減らすことで避けられます。

 症状が良くなると色が黒くなるように感じられるのは、日焼けと同じ様に考えられます。薬の影響ではなく、炎症が治まるとその赤みがなくなりその後に色が残るからです。しばらくすると薄くなっていきます。

 にきびやタムシが誘発されたり、皮膚が薄くなることがまれにありますが、医療機関でチェックを受けて避けることができます。

 また、薬の効果が上がれば医師と相談しながら徐々に量を減らしていくようにします。自己判断で急に中止しないことが大切です。使い方に十分注意すれば非常に役立つ薬ですから、必要以上に副作用を心配することはありません。

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