2012年9月
【火曜】 パーキンソン病の日常生活とリハビリ
パーキンソン病といわれても、特にこれまでの生活を変えることはありません。むしろ仕事や趣味を続けることで、身体の動きが維持できたり、良くなることが期待できます。
パーキンソン病では、緊張したりストレスを感じると動きがよりぎこちなくなりますが、好きなことを楽しんでしている時にはスムーズに動きます。周囲の人にもこのような特有の症状の変化を理解してもらってください。食事の内容もほかに病気がない限り制限はありません。お酒や煙草などの嗜好品に関しては、主治医のアドバイスを受けたほうが良いでしょう。
日常生活は、身の回りのちょっとした工夫で楽に過ごせます。まずは行動する前に、自分の身体の動きや道具の使い方を意識して、段取りや手順を考えておきましょう。いっぺんに二つの動作はしにくいので、ひとつの用事を済ませてから次に取り掛かかってください。
自分の症状に合わせて介護用品を利用することも役立ちます。たとえば、食事の際は食器の下に滑り止めマットを敷く、歯磨きには電動歯ブラシを使う、シャツのボタンの代わりにマジックテープを使うなど、使いやすい道具を探してみましょう。
生活環境を整えることも重要です。危険や不安を感じると余計に足がすくみます。要所に手すりを設置したり、足元を照らす明かりをつけたり、電気のコードは壁に固定して引っかからないようにするなど注意が必要です。
病院などでの専門的なリハビリ以外に、日常的に運動を続けることは大事です。週に3日以上、1回20-30分の運動が望まれます。具体的な内容に関しては主治医と相談のうえ、理学療法士さんなどの専門家に指導を受けてください。また必要に応じて、食べ物を飲み込みやすくするための嚥下訓練や、大きくはっきりと喋るための言語訓練なども考えてもらってください。
パーキンソン病は家で安静に過ごしていれば良い病気ではありません。積極的に身体を動かして、心身ともに活発な生活をおくることが最も大切です。