2012年10月
【月曜】 使い捨てコンタクトレンズの注意
日本のコンタクトレンズ使用者は、現在1,500万人以上と推定されています。このうち約1割の方に目の障害が発生しています。
コンタクトレンズによる目の障害は、黒目の部分である角膜の乾燥や酸素不足、機械的刺激による角膜や結膜のキズ、アレルギー反応などによって生じます。
中でも重い障害となるものは、角膜に菌が入り感染症を引き起こすことによる「角膜感染症」です。この病気は、一般的には外傷やステロイド点眼液の使用に伴うことが多いのですが、コンタクトレンズ使用者の割合が高くなっています。特に、若年者の角膜感染症の大多数はコンタクトレンズが原因と考えられています。最近は、コンタクトレンズ使用者の「アカントアメーバー性角膜炎」と呼ばれるものが増加しています。この病気は、診断・治療が難しく非常に厄介な感染症で、重症の場合には失明の恐れもあります。
そして、レンズの種類別では、2週間毎の交換タイプ使い捨てコンタクトレンズの使用によるものが多いと報告されています。最近は新しい素材で高品質の使い捨てコンタクトレンズが普及していますが、安全だと言われる使い捨てコンタクトレンズを使用していても、正しい使用やケアをしていないと重症の眼の障害を招きやすいということです。
これらの障害の原因としては、コンタクトレンズの材質の不良や変形、汚れなどコンタクトレンズ自体の問題もありますが、何より多いのは使用方法の問題です。長時間の使用や使用期限を超えた使用、消毒・洗浄の不十分さなどが挙げられます。そして、コンタクトレンズの処方や説明指導が不適切だったり、インターネットや通信販売を利用してコンタクトレンズを手に入れたりして、眼科医の診察を全く受けていないケースもあるようです。
快適にコンタクトレンズを使用するためにも、正しい使用方法を守り、眼科専門医の定期検査を受けるようにしましょう。