2012年11月
【木曜】 外反母趾(がいはんぼし)と靴
外反母趾の方は履ける靴に悩んでおられると思います。今回は、外反母趾の痛みを少なくして、希望する靴を履きたい、選びたいということについてお話します。
「痛くない歩行」ということでは、畳での生活なら外反母趾は痛くありません。外出は足袋を履いて、草履や下駄で歩くならば、日常生活も痛みなく過ごせます。しかし、現代社会では、外出に「靴なし」はむずかしく、それも年齢に応じ、その時と所に見合った「おしゃれな靴」が要求されます。これに応える「外反母趾の人の靴」について、具体的な提案をしてみます。
まずは、デパートなど品揃えが多いお店に行って、最初は値段を気にせず、希望の靴を選んでください。数足から10足くらいが良いでしょう。その中から、予算の範囲内のもの2~3足に絞りましょう。お店の人に変形している足を見せることに抵抗があるかもしれませんが、店員さんに出してもらい、足と合わせてみることが大切です。意外に外国製、特にイタリア、フランスの靴に足に合うものが多いことに気がつかれるかもしれません。もしどれも履けなかったら、この際価格は無視して、高級な靴にも挑戦してみるのも一つの方法です。
もう一つは、逆に安い靴を探すのも一つの方法です。5,000円以下で、柔らかい素材のものは痛くなく履けて、見栄えについて我慢ができれば、それも一つの選択肢です。日常の靴として愛用してください。
もとより外反母趾というのは、外見からも分かるように、元々は骨の並び方が悪いことから発症します。これを治すにはいろいろな治療法がありますが、足の変形を根本的に治すには、手術がどうしても必要です。骨を一度切って向きを変える手術があります。骨を触らない方法では再発しやすいものです。必要であれば専門医に相談してください。