2012年11月
【水曜】 タバコのない健康な社会へ
「タバコでストレス解消」などといいますが、本当に解消されているのでしょうか。
タバコには、ニコチンという物質が含まれており、脳に働いて「気持ち良い」という記憶をさせます。一度記憶されると、なかなか消すことができず繰り返してしまいます。このニコチンは、麻薬と同じように、一度覚えるとやめられない作用を持っているのです。タバコの「気持ち良い」という記憶のために、健康が蝕まれ、さらにストレスを増やすことになります。
タバコが、各種のがんを発症させるのは周知のことです。さらに、息苦しくて酸素吸入を必要とする肺の病気で、英語の頭文字をとって「COPD」と呼ばれるものや、心臓や足の血管が詰まって命を落とす病気の原因になったりします。
これらの害は、タバコを吸っている人だけの問題でしょうか。いいえ、近くで吸っているタバコの煙を吸い込むことによっても起こります。受動喫煙と呼ばれています。特に、親の喫煙による子どもへの悪い影響が懸念されます。赤ちゃんが突然死んでしまう病気や、子どもの喘息や気管支炎の原因になっています。大人も、タバコを吸っている配偶者を持つと肺がんの発症が非常に増加することはあまりにも有名です。子どもや配偶者、そして身近な人のことを思えば、タバコは吸えないはずです。
どうすればタバコを止められるのでしょうか。自分や愛する人の健康を思って、強い意志で禁煙すること!が大切です。しかし、タバコを中断すると、脳が勝手にタバコを欲するようになり、様々な症状が出て生活を困難にします。
これらの症状を和らげて、脳に深く刻まれたタバコの記憶をゆっくり消していく薬が発売されています。一部は健康保険も使えます。ガムや、パッチと呼ばれる貼り薬、飲み薬の3種類があり、それぞれ一長一短を持ちます。実際の使用に際しては、かかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。
すべての人々、特に子どもたちが健康で安心して過ごせる環境を作るために、タバコを吸う習慣をなくしましょう。