兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2012年11月

【火曜】 歯科インプラントについて

 最近では、かなり世間で普及している歯科インプラントについてお話します。

 まずはインプラントの歴史からです。歯周病や虫歯で失った歯を補うことは、人類の永遠のテーマの一つでした。古代ローマ時代のミイラには、鉄製の歯を埋め込んだ顎骨(あごぼね)を持つものもあります。また江戸時代には、木彫りの工芸品のような入れ歯が作られていました。

 今から60年ほど前の1952年に画期的な発見がありました。北欧のある大学の研究室で、数ある金属の中でチタンだけが骨と結合することが偶然発見されたのです。この特性を医療に役立てるように様々な分野で研究される中、10数年ほど経過した1965年に、顎骨の中に埋め込むチタン製の歯科インプラントが開発されました。

 そうして実際に世界で応用されるようになって40年ほどが経過しています。2000年頃にはほぼ現在の形になりましたが、より患者さんの負担が少なく、より長持ちするように、現在でも日進月歩で歯科インプラントは進化しています。

 しかし残念なことに、ごく稀にですが、非常に粗悪な品質の歯科インプラントを販売するメーカーや、それを使う歯科医師がいることは否定できません。書店やインターネット上で「年間1000本の実績、成功率99.9%」等と宣伝しているのを見かけますがそのような誇大広告に惑わされてはいけません。

 歯科インプラント治療は、信頼のおける歯科医院で受けられるのが一番良いと思います。またこの治療は、手術が終わり、歯が入ればそれで終わりではありません。生涯そのインプラントの歯で快適に過ごすためには、治療後は定期的なメンテナンスが必要不可欠です。毎日毎日24時間、体からひと時も離れず使用している歯なのですから、メンテナンスは必須です。

 歯が入った後のお手入れも考えれば、インプラント治療は遠方よりもできるだけお住まいのお近くで、実績があり信頼できる歯科医院でご相談されることをおすすめします。

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