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健康情報テレホンサービス

2013年2月

【月曜】 お子さんの「身長曲線」を描いてみましょう

 子どもの成長過程において、身長には個人差があり、周囲のお子さんとの身長差が出てくるのはよくあることです。ただ、「うちの子は友だちの中でずいぶん小さい」とか「同い年の子と比べて幼く見える」など、わが子の成長に不安を持った時は、身長の目安となる身長曲線を描いてみましょう。そうすることによって、今の身長が標準からどれくらい離れているか、1年間でどれくらい成長しているかなどを知ることができます。身長を測るのは半年に一度ぐらいがいいでしょう。そして、定期的に身長体重曲線をつけることにより、身長や体重の異常を早く発見できる可能性があります。

 まずは、お近くの小児科医で身長曲線をチェックしてもらうことをお勧めします。母子手帳を使ったり、インターネットで簡単に身長チェックができるサイトもあります。身長の低いお子さんの身長曲線を描いてみることにより、医学的な治療が可能な場合も時には見つかります。

 身長の低いほとんどの子どもさんは、身長は低いけれど健康には全く問題がありません。しかし中には、成長を促すホルモンが出ていないことや、染色体や骨の異常、心臓・肝臓・腎臓などの異常など、稀に医学的な原因が隠れているケースがあることがわかっています。

 身長曲線を描いて、平均値からどれぐらい離れているかを表す「標準偏差値」、これは略称でSD値といいますが、2SD以上のマイナスであったり、急に身長の伸びが悪くなったり、稀には、思春期年齢ではない時に急に身長が大きく伸びていた時は、要注意です。

 また、生まれながらに身長体重の低い「SGA性低身長症」という場合もあります。お母さんのお腹の中にいた期間(在胎週数)に見合った、標準身長・標準体重に比べて小さく生まれることを、英語の略でSGA(Small for Gestational Age)といいます。身長と体重が100人中で小さいほうから10番目以内に入るとSGAと判断されます。そのうち約90%は2歳~3歳までに成長が追いつくものですが、3歳を過ぎても追いつかない場合はSGA性低身長症が疑われます。成長ホルモンが足りない場合の治療は、3歳以降が対象ですが、本人の治療協力が得られるのは5歳前後でしょう。重症の「成長ホルモン欠損症」の場合は1歳ごろから治療することもあります。

 以上のような成長曲線を描いてみて、お子さんの成長がどうもおかしいなと思われたら、専門医または小児科医を受診して、もう少し詳しく検査してもらうことをおすすめします。

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