2013年3月
【水曜】 食の安全
人は健康に生きるために、呼吸し、食べて、生活を営みます。食をめぐる問題は、生存にとって最も基本的な問題であり、「食は命である」とも表現されています。1年365日、毎日摂る食事に安全なものを望むのは当然です。
食の安全は、生産・流通・消費のどれ一つがつまずいても深刻な事態となります。かつては、有機水銀の垂れ流しによる水俣病、中国製冷凍食品による農薬中毒事件、森永ヒ素ミルク事件、カネミ油症事件がありました。さらに、細菌性食中毒菌・O-157による食中毒事故や、毒物カレーによる食中毒事件、コンニャク入りゼリーによる窒息事故などがありました。これらは個人では避けることのできないものです。
私たちが予防できることは、自然のものに存在する毒きのこやふぐ毒に気をつけること、腐った食品を食べないこと、カビの生えた食品や焦げたものは食べないことです。
そして、今回の福島原発事故による農産物の放射能汚染は、国が定めた許容量以下でもできるだけ子ども、とりわけ10歳以下の子どもには控えた方がいいと言われています。
また、子どもがおやつに食べるスナック菓子、清涼飲料水やファーストフード等の食品添加物として、リンが多く使用されています。リンの過剰摂取は骨の発育に障害を起こします。手作りしたおやつを与えたいですね。
さらに、食品のなかには、見た目をよくするための着色剤、長期保存するための保存剤が添加されています。これらの添加物は大量に摂取すると、がんを発症するものがあります。今日では、消費者庁が食品表示を義務づけていますので、添加物の内容を知ることができます。食品には消費期限と賞味期限が表示されていますから、正しい保存状態で、賞味期限内に食べましょう。
最後に、生活習慣病で一番怖いのはがんです。がんは食事の影響が35%、タバコの影響が30%、アルコールの影響が4%となっています。しかも、食事の中でも塩分の取りすぎが胃がんの発生を、食習慣の欧米化が大腸がんや乳がんを増やします。
一番大切なのは、きちんと3食を腹6分目に食べることです。なお高齢者は固形物を喉に詰まらせないように注意しましょう。