兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年4月

【火曜】 介護保険の「定期巡回・臨時対応サービス」の問題点

 2012年4月から、介護保険に「地域密着型サービス」の1つとして、24時間対応で訪問介護や看護を受けることができる「定期巡回・臨時対応サービス」が作られ、一部の自治体で実施されています。

 高齢になれば、炊事・洗濯・掃除などの家事が不自由になるものです。お風呂やトイレも介助が必要となります。

 「定期巡回・臨時対応サービス」は、住みなれた家で老後を過ごされる利用者の生活リズムに合わせた介護サービスが受けられるものです。定期的に利用者を訪問して、在宅でも生活が送れるように援助するものです。

 しかし、この介護サービスには色々な問題があります。

 まず、ヘルパーさんは単なる家事代行ではなく、本人や家族の意欲を引き出して、生き生きとした生活を取り戻すためのサービスを提供するものです。

 しかし、1日に複数回の訪問介護が利用できる代わりに、1回の訪問時間が短くなります。また、利用回数に関わらずに一定の負担額に決まっていますが、その分、他の介護サービスが制限されることもあります。

 さらに、夜間・早朝・緊急時の呼び出しも可能ですが、毎回同じヘルパーとは限らないために、信頼関係やコミュニケーションも難しくなります。

 最後に、「定期巡回・臨時対応サービス」の新設に伴って、従来からの生活援助であるヘルパーさんの訪問介護は、時間が短縮されました。そのため、ヘルパーさんからは「バタバタと働き、会話ができない」「洗濯や買い物が後回しになってしまう」「残った家事を本人が行ってしまうために、状態が悪化したり、家族の介護負担が増えた」などの声が、全国の調査で出ています。

 とかく孤立しがちな利用者や家族の心理的安定をもたらし、利用者の心身の状態を把握するためにも、コミュニケーションは大切なものです。しかし、時間短縮でコミュニケーションも削られてしまいます。さらに、介護保険の公定料金である介護報酬が下げられたために、ヘルパーさんなどスタッフの処遇改善も進んでいません。時間短縮は撤回させることが大切です。詳しくお知りになりたい方は、厚生労働省のホームページをご覧ください。

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