2013年4月
【月曜】 乳幼児期の生活リズムと健康
「早寝、早起き、朝ご飯」、これは、日本小児科医会が子どもの健康について考えたキャッチフレーズです。この三つが子どもの健康の基本になるわけですね。昔からよく言われる「早寝、早起き」がどうして健康の基本になるのか、一緒に考えてみましょう。
大人の皆さんは、たまの休みの日に朝遅くまで眠ることがあると思います。そんな時、どうも夕方まで体がだるくて調子が出ないことってありませんか?睡眠時間は十分なのに体の調子が整わない、これは生活リズムが崩れているからです。だから、本当は休みの日でも、早起きした方が体調は整うのです。これは子どもも同じです。
もし赤ちゃんが、夜11時まで起きていて、それで朝11時まで寝ているとしたら、その赤ちゃんの睡眠は質の低いものになっています。その上、このような赤ちゃんはいろいろなホルモンがうまく働かないようです。
例えば、成長ホルモンという物質は、眠りについてから数時間分泌されます。特に夜9時から12時までは、他の時間帯よりたくさん分泌されます。だから8時頃に眠りにつくと、一番効果的に成長ホルモンが体の中を流れ、それが脳の発達や体の発育を促します。あるいは、メラトニンという情緒を安定させるホルモンは、真っ暗な状態で分泌されます。ですから、朝日が差し込む中では、いくら眠っていてもメラトニンの分泌は不十分になってしまうのです。
今、日本の子どもたちはどんどん夜更かしになっています。1歳6ヶ月の段階で、既に半数以上の子どもが夜10時になっても起きています。夜遅くに帰ってきたお父さんが子どもと触れ合いたい気持ちはよくわかります。しかし、そのことで引き起こされる生活リズムの乱れが、将来子どもにとっていろいろな影響を及ぼすことを考えてみてください。
決まった時間になれば、たとえ子どもが遊んでいても部屋全体を暗くして、眠る態勢を整えましょう。朝はいつまでもだらだら眠らせず、起きたら日の光をいっぱい浴びさせましょう。
こうして、子どもが小さい間に正しい生活リズムを身につけさせることで、その子の一生は健康的なものになるに違いありません。