兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年5月

【木曜】 血尿について

 血尿とは、おしっこの中に血液すなわち赤血球が含まれている状態です。血尿が起こる原因もさまざまで、おしっこが作られる腎臓や、おしっこを一時的に溜める膀胱、おしっこの通り道である尿管や尿道などに潜んでいる病気が原因となることがあります。

 血尿は大きく分けて2種類あります。おしっこの色は変わらないため自覚症状はないが、尿検査をしてみると、赤血球がおしっこの中に溶け出していたという『顕微鏡的血尿』と、目で見て明らかに血液が混じっていると分かる『肉眼的血尿』という2種類です。

 『顕微鏡的血尿』と言われた方は、急性腎炎や慢性腎炎など、もしかしたら腎臓に異常が見つかるかもしれません。尿検査で発見される自覚症状がない血尿がただちに重大な病気につながることはあまり多くはありません。経過観察している間に病気がはっきりしてくることもあるので、症状がなくても専門医の診察を受け、定期的な経過観察を続けてください。

 一方、目に見て明らかに血尿だと分かる『肉眼的血尿』は、重大な病気が隠れている可能性もあります。おしっこをするときに痛みがある場合は膀胱炎や前立腺炎、わき腹や下腹部に痛みがある場合には尿路結石が考えられます。また、自覚症状がなく突然血尿が出た場合には、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がんなどの可能性もあります。何の病気が血尿の原因になっているかを調べるために、お腹の超音波検査や血液検査、CT撮影、MRI撮影などの精密検査を受けてください。

 血尿は、特に泌尿器科においては最も重要な症状の一つであり、ひとくちに血尿といってもその原因や出血の場所は非常に多彩です。また、血尿はからだの赤信号とも言われており、血尿の陰に泌尿器や腎臓の病気が隠れているかもしれません。

 もし血尿が出たら、特に肉眼的血尿の場合は、そのまま放置せず早めに泌尿器科、腎臓内科を受診し、ご相談されることをおすすめします。

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