兵庫県保険医協会

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健康情報テレホンサービス

2013年5月

【水曜】 女性とニコチン依存症

 厚生労働省の集計によると、習慣的にたばこを吸っている人の割合が、平成22年度では人口全体の20%をきり、19.5%に減りました。しかし、女性の喫煙率は横ばいを辿り、特に20代30代の女性の喫煙率は増加傾向にあり、深刻な社会問題となっています。

 喫煙の習慣は、脳がニコチンに対して依存している状態です。喫煙によってダイエットができるとか、ストレスが解消できるという考えは間違っています。“タバコは百害あって一利なし”と、正しく理解するところから、禁煙が始まります。

 タバコは肺がんだけでなく、子宮がんを含め、多くのがんとの関連があります。また、動脈硬化が進んで心臓病になる、肺気腫になって酸素ボンベを常時必要とするケースなどもあります。女性の体は、男性よりもタバコの害を受けやすいと言われています。特に、妊娠・出産を控えている若い女性は、自分のためだけでなく、家族の健康を守るために、タバコの害を正しく認識し、禁煙を実行する勇気を持って欲しいものです。

 喫煙はビタミンを壊し、肌のツヤやハリを奪い、タバコを吸わない人に比べて、“老け顔”になります。妊娠しにくくなるという報告もあります。妊娠しても、流産・早産の危険が増え、また、ベビーが低体重で生まれる心配があります。両親がタバコを吸わない子どもに比べると、喫煙者を親に持つ子どもは、中耳炎、喘息、小児がんが多く、学力も低めという報告もあります。

 喫煙者の4割が「たばこをやめたいと思っているのに、なかなかやめられない」のが現状です。特に、タバコの害は数十年経ってはじめて顕著になるため、若くて健康な人は、つい禁煙を先延ばしにします。

 決してあきらめず、禁煙外来をしている医療機関で、ご相談ください。健康保険が使える禁煙補助薬の助けを借りて、より楽に禁煙達成ができます。

 禁煙の薬にはニコチンパッチ、ガムと飲み薬があります。パッチとガムは薬局で購入できますが、飲み薬は「ニコチン依存症」の治療補助薬として医師によって処方されます。健康保険が使える治療期間は12週間までの5回の診療で、3割負担の方の自己負担は合計約2万円です。

 禁煙によって健康を取り戻せば、一生にわたって大きなメリットが期待できます。

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