2013年5月
【火曜】 歯周病とその治療の特殊性
はじめに、歯周病の特殊性についてお話します。
歯周病とは、歯を支えている歯茎の中の歯槽骨という骨が炎症によって減ってくる病気です。慢性病という性格のため、前段階である歯肉炎、そして歯周病の初期から中程度ぐらいまでは大きなトラブルがほとんどないために、自覚症状はありません。
あるとすれば口臭ですが、当の本人には自覚できません。体臭と同じですね。
一般的に、歯がグラグラすると「歯周病になった」と言われますが、この自覚症状が出た状態はすでに歯周病は重症といえます。要するに、本当に悪くなるまで自覚症状が出ないというところが、歯周病の特殊性といえます。
次に、歯周病治療の特殊性についてお話します。
堅いことを言いますが、治療を成功させようと思うと、まず最初に、皆さんが歯周病とその治療について正しい知識を持つ必要があります。それをないがしろにすると、治療に失敗する可能性が高くなります。
歯周病の治療の始まりは、予防を含め歯ブラシなどを使って正しく口の中を清潔にすることです。自己流ではだめです。といいますのは、歯周病の原因は歯垢であることは皆さんご存じですね。歯垢とは英語でプラーク、細菌の固まりです。清潔にするとは、その細菌の固まりである歯垢を取り除くこと、英語でプラークコントロールと言います。
あらゆる治療の基本は、原因の除去です。歯周病の原因は歯垢という細菌なので、プラークコントロールがまず最初の手順となります。
そして、ここからが特に大切ですが、このプラークコントロールを行うのは患者さんご自身なのです。この部分が歯周病治療の特殊なところと言えます。歯医者さん・歯科衛生士さんに任せたら大丈夫なんて思っていると、歯周病治療は失敗します。プラークコントロールができはじめたら、並行して歯石は取ってもらいましょう。
歯周病治療のはじめの一歩は、口の中を歯ブラシなどで清潔にすることです。改めて自己流はだめです。歯科医院に行って衛生士さんに正しいプラークコントロールを教えてもらいましょう。