2013年6月
【金土日】ペットと皮膚の感染症
近頃はペットブームですが、ペットの多様化や密接な飼育環境により、ペットから人に感染する疾患が増加しており、皮膚の感染症も増加傾向にあります。
主な皮膚の感染症は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、動物から感染するカビによる白癬です。これは、ネコやイヌでは“ハゲ”としてみられることが多いのですが、症状のないこともあります。動物を触った人の顔、頭、腕や手にコイン大までの赤い斑点、カサブタやジュクジュクが出ます。毛が抜けて禿げてくることもあります。湿疹と思い、ステロイド剤を塗ると悪化するので、注意が必要です。
2つ目は、ノミによる虫さされです。ノミは野良イヌや野良ネコに蔓延しているため、人やペットがそれらと触れあうことで感染します。ノミはペットの体だけでなく、庭の土や家の中の畳の隙間、じゅうたんの下などに卵を産み、約1ヶ月後に成虫となって人に吸い付いてきます。ノミによる虫さされは7月、8月によく発生します。ノミは飛ぶ高さが決まっているので、床から20センチ程度までの足首やすねにブツブツが出るのが特徴です。刺されてすぐには痒くなりませんが、しばらくすると強い痒みが出てきます。治療は、人に対しては虫さされの治療、ペットのノミの駆除に加えて、ノミの卵があると疑われる場所の掃除、殺虫剤の散布が必要です。
3つ目は、動物の疥癬です。ネコやイヌではひどく痒がり、耳にガサガサした部分が出ることもあります。人ではペットと触れあいやすい胸、腕に痒みを伴う赤いブツブツが出ます。治療は、ペットの疥癬の駆除を行い、ペットとの触れあいを1~2週間止めることです。
その他、ネコからは「パスツレラ」や「ネコ引っ掻き病」、鳥からは「オウム病」、熱帯魚からは「非結核性抗酸菌症」と呼ばれる感染があります。口うつしでエサを与える等の過剰な接触を避ける、動物を触った後はていねいに手を洗うなど、飼い方にも注意が必要です。
ペットを飼っている人で、皮膚に症状が出た場合は、お近くの皮膚科を受診してください。