2013年7月
【火曜】 在宅療養を支える福祉用具と住宅改修
住み慣れた自宅で療養生活を送りたいということは誰もが願うことです。特に日常生活の困難度が大きく療養が長期になる場合には、この願いがより切実です。そのような療養生活を続けておられる方やそのご家族にとっては、心身の負担を軽くするための環境整備が欠かせません。
今日は、障害を持たれている方に対する、福祉用具と住宅改修についてお話します。
福祉用具には「補装具」と「日常生活用具」があります。
まず、失われた身体の機能を補うものとして「補装具」の支給制度があります。具体的には、座る姿勢を保つ装置、車いす、電動車いす(身障の内部障害も含む)、歩行器、歩行補助の杖、起立保持の道具、頭部保持の道具、排便補助の道具などがあります。
また、各自治体には、「地域生活支援事業」として、「日常生活用具」の給付事業もあります。具体的には、洗浄機能付の便座、特殊寝台、特殊マット、床ずれ防止用具、体位変換器、移動用リフト、火災警報機、自動消火器、ネブライザーや喀痰吸引器、パルスオキシメーター(動脈血中酸素飽和度測定器)、ストーマ(蓄便・蓄尿袋)などの給付を受けることができます。
以上紹介した福祉用具は、支給に際して所得による一部負担があります。また介護保険制度との兼ね合いで、介護保険利用を優先するという調整がされます。しかし介護保険からの給付がない品目については障害福祉制度から支給されますので、詳しくは各自治体の障害福祉担当課に問い合わせてください。
なお、これらの障害福祉施策を利用するためには、身体・精神・知的の各障害者手帳が必要となります。手帳申請に際しては医師の診断書が必要ですから、主治医によく相談してください。
次に、安全・安心な在宅療養のために欠かせない「住宅改修」についての支給制度を紹介します。
具体的には、玄関や家屋内の段差解消、移動のための手すりの設置、トイレ・浴室等の改修に対して、先に紹介した「地域生活支援事業」から20万円を上限にして給付されます。さらに、各自治体の上乗せとして、プラス80万円までの助成を行っているところも多くあります。障害福祉担当課などの担当窓口に問い合わせてください。
来月は、「在宅療養を支える医療費の軽減制度」についてお話しする予定です。